放射線透過試験とは、放射線の「物質を透過する性質」と「フィルムを感光させる性質」を利用して、試験体内部のきずや構造を放射線透過写真に写し出し、視覚的に判定する検査方法です。
放射線は試験体を透過することで減少していきますが、きずや空隙、厚さが薄い箇所は、健全部や厚い箇所に比べて多くの放射線が透過します。透過量が多い、きずや空隙のある箇所は黒く、透過量の少ない健全部分は白く写り、透過量の「量の差」によって濃淡差のある透過写真ができます。この透過写真を観察することで、試験体内部のきずの状態や内部構造を知ることができます。
NDTマートでは、従来のX線フィルムを用いた放射線透過試験に使用する測定器や消耗品に加え、デジタル放射線透過試験で画像やシステムの評価に使用するDuplex IQI(複線形像質計)とファントムも取り扱っています。
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<放射線とは>
放射線とは、放射性物質から放出される粒子や電磁波のことで、放射線透過試験では主にX線とガンマ線を使います。X線とガンマ線は、電波や光と同じ電磁波の一種で、波長が極めて短いことが特徴です。波長が短いほど、透過能力が大きくなるため検査対象物の厚さ及び材質に応じてX線またはガンマ線源を選択します。一般にはX線が使用されますが、板厚が大きな場合はガンマ線を使用します。
<主な用途>
放射線透過試験は、金属・プラスチック・コンクリート・木材と様々の材料に適用可能で、主に以下の用途で使用されています。
・材料内部の気泡・割れ・異物
・溶接部のきず検出、機械部品の内部構造、寸法測定
・異物の有無、充填状態
・鉄筋コンクリート内の鉄筋配置
<デジタル化(D-RT)について>
放射線透過試験は、フィルムを媒体とした画像の判定が主流でしたが、現在はデジタル放射線透過試験(D-RT)が広く使用されています。2017年には、規格( JIS Z 3110:溶接継手の放射線透過試験方法―デジタル検出器によるX線及びγ線撮影技術)も制定されました。
D-RTには、従来のフィルム放射線透過試験(F-RT)に比べ様々なメリットがあります。
①現像処理が不要なため作業が効率化
②高感度で照射時間の大幅な短縮が可能
③電子データのため長期保存性・データ検索の利便性が向上
④画像処理により鮮明な画像が得られる
フィルムマーカーは、透過写真に撮影箇所、日付、試験部の有効長さなどを示す記号を写すために使用します。
NDTマートでは、X線用(赤文字)、ガンマ線用(鉛文字)の取り扱いがあり、サイズも各種用意しています。セット販売に加え、単品でも販売しています。
透過度計は、識別可能な線型を基に、定性的な透過写真の象質の管理および、きず寸法の判断に使用します。
NDTマートでは、一般的な用途で使用する「一般形透過度計」と、円周溶接綱手の試験で使用する「帯型透過度計」の2種類の「針金形透過度計」を販売しています。
諧調計とは、透過写真のコントラストを求めるために厚さを階段状に変化させたゲージです。諧調計によって生じる濃度差を、濃度計で測定することで観察条件の影響を受けずに数値で比較できます。階調計を使用することで、濃度、現像条件、管電圧、錯乱線の状態等の試験条件を管理することができます。
デジタル放射線透過試験で、画像やシステムの評価に使用する商品を販売しています。デジタルX線画像の不鮮鋭度および空間分解能の評価に使用するDuplex IQI(複線形像質計)と、DR(デジタル・ラジオグラフィ)またはCR(コンピューテッド・ラジオグラフィ)でシステムの性能評価に使用するファントムを取り扱っています。
増感紙は、増感紙の増感作用を利用しX線フィルムとともに用いる特殊な感光材料です。X線やガンマ線がフィルムを感光するする力は弱く、露出時間(普通のカメラではシャッタースピードに当たる)は数十秒と長くなります。増感紙を使用することで撮影時間を短縮することができます。増感紙は、X線フィルムの両面に密着させ使用します。
フィルムカセッテとは、フィルムを明るい場所で使用するための遮光ケースのことです。
光漏れによるX線フィルムのかぶりを防止し、増感紙とX線フィルムが密着するよう設計されています。
ゴム製の封筒式と、ビニール製の封筒式・折り畳み式を取り扱っています。
フィルム観察器は、LEDや蛍光灯等の光源と、光を拡散させるための半透明のアクリル樹脂版から作られている装置で、放射線透過写真(フィルム)の観察に使用します。
NDTマートでは、D35形のフィルム観察器を販売しています。
フィルム濃度計は、放射線透過写真の濃度の測定に使用します。溶接部の試験では、きずの像以外の部分の写真濃度や、濃度差/濃度の値が規定されているため、観察前に確認する必要があります。NDTマートでは、フィルム観察器を光源に使用する簡易型と、光源を内蔵した光源内臓型の2種類を販売しています。
きずの検出・評価、きず寸法の測定等のトレーニングに最適な溶接欠陥試験片です。
試験片には2~3個の人工欠陥が施されており、きずの位置を記した書類が付属します。
プレート(V形開先、X形開先)とパイプ形状の溶接欠陥試験片を販売しています。
線量計は、被ばく量の測定に使用する放射線測定器です。放射線管理区域などで放射線業務に従事する場合は、線量計を装着し被曝量を測定する必要があります。
サーベイメーター(ガイガーカウンター)は、携帯用の放射線検出器です。非破壊検査や環境汚染の調査、放射能汚染の測定等で使用されています。
パイプ Φ60×8×300mm
通常2~3週間以内
高品質な溶接欠陥試験片です
¥753,500
CR Phantom Type I 6x10
通常3~5週間以内
ASTM E2445、ISO 16371-1準拠
小型イメージングプレート用のシンプルなCRファントム
検査成績書、適合証明書(ISO/IEC 17050-1/2)とケースが付属
ASTM E2445、ISO 16371-1で定期的な実施が規定されているCRスキャナーシステムの試験に必須
基本空間分解能、不鮮鋭度、コントラストなど、CRシステムの全関連パラメータをテスト可能
※Duplex IQI(複線形像質計)は付属しません。13D / 15D / 17D のいずれかを別途ご購入ください。
¥858,000
CR Phantom Type I
通常3~5週間以内
ASTM E2445-14、ISO 16371-1、EN 14784-1準拠
検査成績書、適合証明書(ISO/IEC 17050-1)とケースが付属
ASTM E2445-14、ISO 16371-1、EN 14784-1で定期的な実施が規定されているCRスキャナーシステムの試験に必須
基本空間分解能、不鮮鋭度、コントラストなど、CRシステムの全関連パラメータをテスト可能
¥1,650,000 ~ ¥1,837,000
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