ブラックライト(紫外線探傷灯)とは、紫外線(UV)を照射するライトのことです。
蛍光浸透・磁粉探傷試験をはじめ、リークテスト(油漏れ・水漏れ等の漏洩検査)、電子部品・基板のフラックス、コンタミネーションのチェックなど幅広い用途で使用されています。
紫外線とは、目で見ることができる可視光線(波長400nm以上)よりも短い光の波長のことで、具体的には100〜400nmの波長を持つ電磁波を紫外線と呼びます。
紫外線は、波長域によりUV-A、UV-B、UV-Cの3つに分類することができます。UV-Cは大気層で完全に吸収されるため地上には届きませんが、UV-A波とUV-B波は地上に到達し、私たちが日常意識することなく浴びている紫外線となります。UV-AやUV-Bは、日焼けやシミ、皮膚がんの原因となります。
区分 | 波長(nm) | 特徴 |
---|---|---|
UV-A | 315〜400 | オゾン層を通過し、地表に到達する。 最も危険性は低いが、色素の沈着や、免疫の低下を引き起こす恐れがある。 |
UV-B | 280〜315 | オゾン層に吸収されやすく、一部が地表に到達する。 皮膚がんや白内障を引き起こす恐れがある。 |
UV-C | 100〜280 | 上空の酸素やオゾン層などによって完全に吸収されるため地上には到達しない。 強い殺菌作用があり、最も危険性が高い。 |
ブラックライト(紫外線探傷灯)とは、波長365nmを中心とする紫外線(UV-A波)を発するライトです。蛍光塗料、蛍光剤の入った物質に紫外線をあてると、可視光として反射するため、暗中でも鮮やかに光って見えます。
この特徴を利用して、蛍光浸透探傷・蛍光磁粉探傷検査、リークテスト(油漏れチェック)などの漏洩検査、コンタミネーションチェックなど様々な用途で使用されています。
ブラックライトは、UV-Aの中でも比較的波長が長い365nmを中心とする紫外線を発しているため、危険性が非常に小さく、適切に使用すれば、人体への影響はありません。
ただ、可視光が少ないため、出力される紫外線も少ないと錯覚してしまいがちですが、実際には高エネルギーの紫外線が出力されています。ブラックライトを長時間浴びると、日焼けの原因となり、また光源を直視すると眼に悪影響を与えます。
このため、ブラックライトを使用する場合は、必要に応じて手袋や日焼け止めクリームを塗り、必ずゴーグルを着用してください。
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